スカッとした味とシュワシュワののど越しがおいしいラムネ。
暑くなると急に飲みたくなってしまうラムネですが、ラムネに似た身近な飲み物にサイダーやソーダがありますね。
普段何気なく飲んでいるこれらの飲み物ですが、ぶっちゃけラムネもサイダーもソーダも何が違うんだろうと考えたことありませんか?
味や色もほとんど変わらないし、名前が違うだけってわけでもなさそうだし。
そこでこの記事では、ラムネとサイダー、ソーダの違いについてご紹介していこうと思います。
ラムネとサイダー、ソーダの意外な区別や名前の由来などをまとめたので、疑問解決の助けになれば幸いです。
目次
ラムネとサイダーは実は同じ?名前の違いは特徴や作り方から
暑い夏の日や運動のあと、お風呂上りなどにスカッとおいしいラムネ。
お祭りの縁日などでも売られており、風情ある入れ物がさらにおいしさを高めてくれますね。
いわゆる甘い炭酸飲料なのですが、ラムネと似たものにサイダーやソーダなどがあります。
ぶっちゃけて言うと、ラムネもサイダーもソーダも、味はそんなに変わらないし、何が違うのかわからない。
しかし名前が違うのだから、同じものではないというのは確かですよね。
一体何が違うの?実はラムネとサイダー、何をかくそう、中身は同じものらしい!
正確に言うと、昔は違うものだったけど、現代では同じものとみなしているそうです。
どういった経緯で元々は違うものだったラムネとサイダーが、現代で同じものと言われるようになったのか、まずはそれぞれの特徴から見ていきましょう。
ラムネの特徴
ラムネが日本に初めてやってきたのは、1853年のこと。
アメリカからペリーが来航したときまで遡るそうで、ラムネという飲み物にも偉大な歴史があるのだと感心しますね。
浦賀に到着したペリー一行が、江戸幕府の役人をもてなす時に出したのがレモネードに炭酸水を混ぜた飲み物だったそう。
レモネードとは
レモン汁に砂糖などの甘味料を加え、水で割った飲み物のこと
ペリーにふるまってもらった「レモネード」の発音が日本語訛りになり、「ラムネ」という呼び名になったそうです。
このことから、ラムネの元祖は「レモネードを炭酸で割ったもの」で、レモン風味の炭酸飲料となりますね。
ペリー来航時のラムネはコルクで栓をした瓶に入っていましたが、炭酸が抜けてしまうなどの問題点もあったそう。
1872年頃のイギリスで、コルク栓より確実に炭酸をキープできるビー玉を使った瓶が開発され、日本にも広まるようになりました。
今から百何十年も前の瓶のデザインが変わらず受け継がれているラムネって、ロマンがあっていいですよね。
では、ラムネはどのように作られているのか、作り方を確認してみます。
【ラムネの作り方】
1. ラムネの味を作るシロップ(甘味、酸味、香料などを混ぜたもの)を瓶に入れる
2. 瓶の中に炭酸水を一気に流し込む
3. 炭酸水がいっぱいになったら瓶を逆さにする
4. 瓶の口に落ちてきたビー玉が、ガスの圧力で押し付けられて栓になる
ラムネのビー玉はどうやって栓になるのだろうと思っていましたが、逆さにすることでがっちりハマるんですね。
炭酸水の摂理を利用した上手いやり方だなぁと感心してしまいますね。
サイダーの特徴
日本人ならサイダーと言って思い出すのは三ツ矢サイダーという人も多いのでは。
ラムネって正直なところ味や色は三ツ矢サイダーとまったく変わりませんよね。
実はサイダーの元となっているのは、フランス生まれのりんごのお酒「cidre(シードル)」だそう。
欧米ではサイダーと言えば炭酸が入ったアルコール飲料のことで、りんごだけでなく、いろいろなフルーツ風味のサイダーが市場に出回っています。
サイダーは子供も飲めるおいしいジュース、というのは日本だけの認識のようです。
ではなぜ日本でサイダーがいわゆるジュースの類になったかというと、やっぱり三ツ矢サイダーが始まりだったそうです。
明治時代、兵庫県川西市にある鉱泉水をイギリスの科学者が「理想的な鉱泉」と認めたことをきっかけに、「三ツ矢平野水」という炭酸水の製造・販売が始まりました。
その後、イギリスからりんごの香料が入った「サイダーフレーバーエッセンス」が輸入されます。
三ツ矢平野水にサイダーフレーバーエッセンスを混ぜた、「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」が造られ、現在の三ツ矢サイダーの前身となりました。
商品名にある「サイダー」という響きが覚えやすく、いつの間にか三ツ矢サイダーのようなシュワシュワの甘い炭酸水を「サイダー」と呼ぶようになったんだとか。
国内の炭酸飲料売上ランキングで常に1、2位をキープする三ツ矢サイダーの影響力はさすがです。
サイダーの作り方はラムネと異なります。
【サイダーの作り方】
1. 容器の中に炭酸ガスを吹き込む
2. サイダーの味を作るシロップと炭酸水を混ぜたものを容器に注ぐ
3. 容器がいっぱいになったらフタをする
ラムネはシロップを瓶に入れてから炭酸水を注ぐ、サイダーはシロップと炭酸水を混ぜてから容器に注ぐという作り方の違いがあります。
ラムネとサイダーが同じ理由
ラムネとサイダーの特徴の違いをまとめると、以下のようになります。
起源 | 名前の由来 | 作り方 | |
ラムネ | ペリー来航時にふるまわれたレモネードに炭酸水を混ぜたもの | 「レモネード」が日本語に訛って「ラムネ」となる | 瓶の中にシロップを入れてから炭酸水を注ぐ |
サイダー | 三ツ矢サイダーの前身「平野シャンペンサイダー」 | 「平野シャンペンサイダー」の「サイダー」が広まった | 炭酸水とシロップを混ぜてから容器に注ぐ |
歴史的に見ればここまで明らかな違いがあるのに、なぜ現在はラムネとサイダーは同じものとされているのでしょうか?
もともとラムネはレモン風味、サイダーはリンゴ風味と味が決まっていました。
しかし、時代が移りゆくにつれ、サイダーにもレモン風味のものが、またラムネにもいろいろなフルーツの風味の商品が造られるように。
味で区別がつかなくなり、次第にラムネもサイダーも中身は変わらないという定義に落ち着いたそうです。
現在では、ラムネの定義は「ビー玉で栓をしたガラス容器に入っている炭酸飲料」で、それ以外のものをサイダーと呼びます。
財団法人全国清涼飲料連合会でも、ラムネとサイダーの違いを中身ではなく、「栓」や「キャップ」で区別していると明記されています。
Q・「ラムネ」と「サイダー」の違いがありますか?
A・ともに炭酸飲料で、いわば「兄弟のような関係」です。
ラムネ玉(ビー玉)で栓をしているものが「ラムネ」、王冠やスクリューキャップを使用しているものが「サイダー」。
栓の違いで呼び名が変わります。
なるほど、ラムネとサイダーが容器で区別されているというのはちょっと驚きですね!
ビー玉の容器だけがラムネになれるなんて、ラムネが特別な飲み物に思えてきますね。
ラムネとサイダーはソーダの一種!
ラムネとサイダーによく似ているものに、「ソーダ」があります。
ラムネとサイダーは現在では容器の形状で区別してますが、ソーダはどのような違いがあるのかも気になりますね。
実はソーダは、ラムネやサイダーなどの甘い炭酸飲料のことではなく、炭酸の飲み物全般をさす言葉だそうです。
炭酸の飲み物ですから、コーラやファンタ、スプライト、カルピスソーダ、オロナミンC、C.C.レモン・・・全部ソーダなんですね。
もちろん、甘いものだけでなく、甘くない炭酸水もソーダになります。
ちなみに、「レモンスカッシュ」でおなじみの「スカッシュ」も、ラムネ、サイダー、ソーダとの違いがよく分からないと言われます。
スカッシュは、英語で「押しつぶす」という意味の「squash(スクワッシュ)」が元の言葉。
レモンなど主に柑橘系果物を搾った(押しつぶした)果汁に砂糖を加え、炭酸水で割ったものです。
ラムネ、サイダー、スカッシュも呼び名が違うだけで、みんなソーダの仲間ということなんですね。
ラムネはサイダーやソーダと同じ?のまとめ
ラムネとサイダーは、入れ物が違うだけで中身は一緒ということが分かりました。
また、ソーダは炭酸飲料の総称で、ラムネやサイダーもソーダの仲間という結果となりましたね。
これらの違い、実は諸説あるのですが、どれも大筋に大差はありません。
たくさんの説があるということは、それだけラムネやサイダーなどの炭酸飲料が、長い歴史を持って人々に親しまれてきたという証拠ではないでしょうか。
これからラムネやサイダーなどの炭酸飲料を飲むときには、その歴史背景にも思いをはせ、ありがたくいただこうと思います。
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