2021年4月5日から放送開始のフジテレビ月9ドラマ「イチケイのカラス」は、裁判官を主人公にしたリーガルエンターテインメント。
これまでに検事や弁護士がメインのドラマは沢山ありましたが、あえて裁判官に焦点を当てたものは民放初だそうです。
「イチケイのカラス」は主人公の入間みちお(竹野内豊)と、みちおの同僚・坂間千鶴(黒木華)を中心に物語が展開していきます。
登場人物はどれも腕利きの裁判官ばかりですが、キャラクターのモデルとなった人物は実在するそう。
どんな人がモデルとなったのか、ご紹介していきたいと思います。
目次
『イチケイのカラス』モデルは実在の裁判官だった!
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「イチケイのカラス」は民放で初めての裁判官が主役のドラマ、しかも主演の竹野内豊さんは11年ぶりに月9出演ということで話題になっていますね。
刑事事件をさばく裁判官という固い職業をテーマにしたドラマですが、シリアスなストーリーの中にもクスッと笑えるコミカルなシーンも盛りだくさんで、家族みんなで楽しめるドラマとなっています。
ドラマの原作は2018年から週刊モーニングに掲載されていた、浅見理都さん作のコミック。
作者にとって初めての連載で、しかも専門用語や普段触れることのない法律などに詳しくなかったそうで、キャラクター設定やストーリー展開にだいぶ悩んだそうです。
前にすすめずにいたところに手を差し伸べてきてくれたのが、登場人物のモデルとなった裁判官の先生方だったそう。
作品の監修も引き受けていたそうで、コミックでありながらも実際の裁判の様子をリアルに再現することができたといいます。
モデルとなった先生はどんな方なのか、キャラクターと比較しながらみていきたいと思います。
『イチケイのカラス』モデルは二人!キャラクターと似ているか徹底比較!
いままで黙っていましたが、実は…駒沢部長のモデルは木谷明先生と原田國男先生です。そこに監修の櫻井先生と片田先生のエッセンスも加わっています。
…って、みなさんお気づきでしたよね。(駒沢部長と木谷先生の浅見さんの似顔絵がほぼ一緒…!笑) pic.twitter.com/C33oYLxBT1
— イチケイのカラス【公式】 (@ichikeinokarasu) October 1, 2018
モデルとなった人物はふたりで、双方がイチケイの部長である駒沢義男のキャラクターに繋がっているそう。
駒沢部長と言えば、温厚でいつもニコニコ、のんびりとした雰囲気を持っています。
しかし「伝説の裁判官」と言われるように、30件あまりの無罪判決にかかわり、そのすべてが確定しているという、普通では考えられないような、まさに伝説をのこしている人物。
そのモデルとなった人物ですから、どんな経歴を持っている方たちなのか気になりますね。
モデル1:原田國男
一昨日,原田國男さん『裁判の非情と人情』( https://t.co/nS7GTPLaNg )の第65回日本エッセイスト・クラブ賞の贈呈式が行なわれました.司法関係者の受賞は,団藤重光さんの『刑法紀行』以来およそ50年ぶりとのこと.同時受賞の鳥海修さんと共におめでとうございます! pic.twitter.com/MV1PeZQxVO
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) June 28, 2017
【原田國男プロフィール】
生年月日:1945年2月26日
出身大学:東京大学
原田國男さんは、日本でとても有名な元裁判官です。
東京高裁時代に逆転無罪判決を20件以上出したという伝説の持ち主。
日本の刑事事件において、起訴されると99.9%を超える確率で有罪になると言われていることを考えると、20件以上というのはすごい数字ですよね。
裁判官は検察側の立証を認めてばかりで被告側の主張をあまり受け入れないと指摘されている中、被告人や弁護人の言い分に真摯に聞き入る姿は「希有の存在」と言われているそう。
捜査のすべての過程において問題点はないか検証を徹底的にかさね、どちらにも偏らない中立な判例をだすことから、法曹界(法律関係にたずさわる業界。裁判官や弁護士、検察官などの事)では高い評価を受けています。
神奈川県立湘南高等学校から東京大学に進学、卒業。
1969年に司法修習を終了し、その後検事や裁判所判事、裁判所所長などの経歴を経て、2001年に東京高等裁判所部総括判事となります。
2010年、65歳で定年退官した後も、様々な形で法曹界にかかわっており、精力的に活動されています。
2015年には、長年の裁判官としての功労が認められ、瑞宝重光賞を受賞しています。
見た目はふっくらとして、駒沢部長とは少し遠いかな?という感じがしますが、事件に向き合うその姿勢はまさに駒沢義男そのものといった感じですね。
作品中に出てくる駒沢義男が被告人にむけていった名言「本当にやっていないならば、必ず言ってほしいと思います」という言葉も、原田國男さんが書いた本を参考にしているそうです。
こんな素敵な裁判官が実在するなんて、現実ほどドラマチックなものはないなと感じてしまいます。
モデル2:木谷明
無罪判決の波紋~性と司法・私の考え:(4)すべての無罪判決を一緒に議論してはいけない 木谷明・元東京高裁判事 https://t.co/8rtZ3rRnd6
— 毎日新聞 (@mainichi) June 11, 2019
【木谷明プロフィール】
生年月日:1937年12月15日
出身地:神奈川県平塚市
出身大学:東京大学法学部
木谷明さんも日本で有名な元裁判官です。
先にご紹介した原田國男さんと同様に、沢山の無罪判決を確定させています。
その数なんと約30件!
「イチケイのカラス」では駒沢義男も30件の無罪判決を確定していますよね。
東大在学中に司法試験に合格し、司法修習を経て1963年に東京地裁の検事補佐官としてキャリアをスタート。
家庭裁判所や地方裁判所での判事、浦和地裁、東京高裁などの総括や地裁・家裁所長などの経歴を経て、東京高裁13部刑部総括をつとめます。
2000年、62歳の時に依願退官しますが、その後も様々な形で法曹界に係ります。
2008年にその功績がたたえられ、瑞宝光重章を受賞。
現在は免罪事件の弁護を務めています。
2007年に公開された、周防正行監督・脚本、加瀬亮主演の映画「それでもぼくはやってない」に登場する裁判官のモデルも木谷明さんだそう。
いくつもの作品のモデルになるほど、日本の法曹界において貴重な方なんですね。
駒沢義男との共通点は、その伝説的な判例そして、なんといってもルックスではないでしょうか。
駒沢義男(原作)
慌ただしく毎日すぎていく・・・(浅見) pic.twitter.com/OVOPxemnvE
— イチケイのカラス【公式】 (@ichikeinokarasu) May 15, 2018
木谷明氏
繰り返し共謀罪に警鐘を鳴らしてきた木谷明・元東京高裁裁判長。「今は現場から指紋が出たりDNAが出たり、客観的な証拠があるが、共謀罪は『あの人がこう言った』という供述があるだけ」「冤罪が起こらない、起こさないというのは無理」と。6月15日の報ステ。 pic.twitter.com/iq3wS56p7N
— 杉原こうじ(NAJAT・緑の党) (@kojiskojis) June 15, 2017
・・・そっくりですよね!!
ちなみに、実写ドラマ版の駒沢義男(小日向文世)はこちら。
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小日向文世さん演じる駒沢義男も、優しそうでほのぼのとした雰囲気は共通していますね。
原作の駒沢義男と見た目がそっくりな木谷明さんですが、「現役時代は(原作の)駒沢より髪が多かった」とおっしゃっているそう!
髪が多いということは、現役時代は実写ドラマの方にそっくりだったのかもしれないですね!
その他のモデル:片田真志・櫻井光政
【イチケイのカラス 1巻情報】
おまけ漫画として、この作品ができるまでを浅見さんが描いてくれました。
監修の先生方も擬鳥化してご登場いただいつおります!
8月23日発売です。 pic.twitter.com/JKTph7QkDx— イチケイのカラス【公式】 (@ichikeinokarasu) July 17, 2018
駒沢義男のモデルは、先に紹介した原田國男さんと木谷明さんとされていますが、その他にも駒沢のキャラクターのエッセンスとなった方が二人いるそうです。
原作の監修にあたった裁判官出身の弁護士・片田真志さんと、弁護士の櫻井光政さんです。
片田真志さん
京都新聞が、裁判官出身の弁護士で監修もしてくださった片田先生にフィーチャーして「イチケイのカラス」を紹介しています。 pic.twitter.com/JueeWlIGXL
— 櫻井光政 (@okinahimeji) February 3, 2020
櫻井光政さん
日頃の感謝を込めて櫻井先生を描き直しました!!いい感じにかけたのでいつか漫画の中に櫻井先生が登場するかもしれません。お楽しみに・・・(浅見) pic.twitter.com/T3DSg55GqR
— イチケイのカラス【公式】 (@ichikeinokarasu) October 1, 2018
お二人は原作の法律監修を担当されていたそうで、作中のストーリーやエピソードは片田さんと櫻井さんが関わった裁判を参考にしている場面があるそうです。
裁判手続きの描写や、難しい事実認定などかなり緻密に表現されていて、法曹界でも話題の漫画となったのは二人の監修があってこそだったんですね。
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入間みちおや坂間千鶴のモデルは存在するの?
伝説の裁判官、原田國男さんと木谷明さん、それに原作の監修をした片田真志さんと櫻井光政さんの4人が合わさってできたキャラクターが駒沢義男でした。
では、原作の主人公である坂間真平(実写ドラマでは坂間千鶴)や、入間みちおのモデルとなった人物はいるのでしょうか?
調べてみましたが、原作者の浅見理都さんも駒沢以外のキャラクターにモデルがいるということは言及されていませんでした。
原田國男さんは、原作者の浅見理都三との対談の時に「入間みちおみたいな裁判官はいるね」とおっしゃっていたそう。
明確なモデルはないにしても、監修の片田さん、櫻井さんと一緒にキャラクターを作り上げてきたことから、これまでに見てきた色んな裁判官や弁護士の要素が合わさっているのでしょうね。
入間みちおに関しては、裁判官になる以前の弁護士時代に関わった無罪判決が10件以上あるという点から、「冤罪弁護士」の異名を持つ今井核さんがモデルになっているのではという声もありました。
今井核さんは20年以上刑事弁護の世界で闘ってきたなかで、14件の無罪を立証しています。
弁護士の間でも無罪14件は「異例の数字」といわれているそう。
映画「それでもぼくはやってない」のモデルとなった痴漢冤罪事件で弁護をしたのも今井核さんでした。
直接のモデルではないかもしれないですが、みちおの中に今井格さんの要素が含まれている可能性は大きいですね。
おわりに
法廷劇をリアルに描いた作品の裏には、現実世界で偉業を成し遂げた伝説の裁判官がいたんですね。
そのリアルさと緻密さから、原作は法曹界でもかなり有名だったそうですが、ドラマでどこまで描写できるかにも注目していきたいですね。
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