婚姻届け、離婚届の提出のオンライン化を進めることが明らかにされました。
ニュースになった直後から沢山の賛否が飛び交っています。
これらの届けは、特に婚姻届けに関しては一生に一回(もしくは数回)のことで、オンラインで提出となると重みがなくなってしまう感じもありますね。
今回は婚姻届け・離婚届のオンライン化はいつ頃になるのか、提出方法について調べました。
また、オンライン化によるメリットやデメリットに加え、世間の賛否の声もまとめています。
【婚姻・離婚届】オンライン化はいつから?
【脱はんこ】婚姻・離婚届オンライン化へ、押印欄を廃止 上川法相が会見https://t.co/3TtwsvPIVG
オンラインによる戸籍届け出は制度上ではすでに可能だが、押印欄があることから、現在まで導入している市区町村はない。 pic.twitter.com/rCxbBZrksT
— ライブドアニュース (@livedoornews) October 9, 2020
上川陽子法相は9日の記者会見で、婚姻届や離婚届の押印の廃止を検討していると明らかにした。「婚姻届や離婚届の押印も含め、さまざまな行政手続きがあるので、そのオンライン化を進めていく」と述べ、オンライン化の普及にも努める考えを示した。
上川法務大臣は、10月9日に行われた閣議後の会見で、婚姻届、離婚届のオンライン化を進める方針であることを明らかにしました。
日本での公的機関への届け出の提出には印鑑の捺印が必要なものがほとんどですが、オンライン化に伴い婚姻届と離婚届の印鑑を押す欄を廃止するとのことです。
これが実現するなら、今までの届け出とはかなり印象が変わるように思いますね。
特に婚姻届については、これから人生を共にする二人の門出において、重大な儀式的要素もあるため、いろんな意見がありそうです。
オンライン化が実施される時期について、詳しいことはまだ決定していないようです。
ただ、誕生したばかりの内閣の閣議にかけられ、会見で発表されるほどですので、実現する可能性はかなり高そうです。
これから結婚の予定があるカップルや、将来の事を前向きに考えている恋人同士にとっては、目が離せない議題ですね。
オンラインでの提出方法
婚姻届・離婚届がオンライン化された場合、詳しい提出方法についてはまだ何も発表されていません。
オンラインで提出する場合、これまでの一連の流れに沿う必要がなくなり、かなり簡素化されることになるでしょう。
しかし、一番心配なのはなりすまし提出や、不正な提出、離婚届に関しては相手からの一方的な提出がなされるなど、考えられる問題点をすべてカバーする必要がありますね。
方法としては、印鑑を押す必要がなくなった代わりに、戸籍、マイナンバーカードだけにとどまらず、ありとあらゆる身分証明の提出などが必要になってきそうです。
メリット&デメリット
婚姻届と離婚届のオンライン申請が可能になった場合、現時点で考えられるトラブルをあげてみましょう。
起こりうるトラブル
- 相手や他者による無断提出の恐れ
- 偽装結婚・偽装離婚
- 情報漏洩
- なりすまし、不正提出
- 自治体の対応能力がついていかない
- 離婚する夫婦が増える
新しい制度が開始されるとなると、まず最初に考えられるトラブルの方が多く上がってきますね。
上記を踏まえたうえで、メリットとデメリットは何なのか考察してみます。
【メリット】
・届けに印鑑を押す必要がなくなる
・感染リスクの低下
・24時間、365日提出可能
・ネット環境があればどこでも提出できる
・業務が減ることで窓口の混雑が抑えられる
これまでのように印鑑を押す必要がなくなることや、窓口の開いている時間を気にせず、ネット環境さえあればいつでもどこでも提出できるという点では確かに便利ですね。
また、役所はいついっても混雑している印象があり、密になるため感染リスクも高くなります。
わざわざ人の多い場所に出向く必要がないということは、感染する恐れもありませんし、時間や交通費などの無駄がなくなります。
また、窓口業務が減ることにより、役所での長い待ち時間が短縮されるというメリットもありますね
では、デメリットをあげてみましょう。
【デメリット】
・不正提出の懸念
・セキュリティ面の心配
・対応できる役所が限られそう
・届け出の重みがなくなる
メリットは多少あれど、現時点ではデメリットの方が多く考えられますね。
オンラインで申請できるということは、情報さえ入手すれば本人でなくとも婚姻届や離婚届を提出できることになります。
お付き合いしているけれど一方が結婚を考えていない場合でも、本人に承諾なしに一方的に結婚できてしまうというトラブルが考えられますね。
また、離婚に関しても同じことが言えますね。
特に勝手に離婚届を出されることにより、保険や年金、資産分配など様々な面で知らないうちに不利な立場となることも考えられます。
また、偽装結婚や偽装離婚もこれまでよりかなり簡単にできてしまうでしょうし、まったくの別人がなりすましで届け出を提出できてしまうということもあるかもしれません。
実は2004年から、戸籍の届け出についてオンライン上で可能となっていました。
しかし、実際に導入されている自治体はなんとゼロ!
現行ではオンラインも窓口でも両方できるということなのに、16年間もオンライン化が進まなかったというのには深いわけがありそうです。
実用的になるほど政府や自治体のシステムが追い付いていなかったというのもその理由の一つに入っていると思いませんか。
セキュリティ面をはじめ、手続きを実用化するためのシステムにも多くの課題が降りかかりそうです。
また、現在離婚届を提出する際には、離婚届を用意し、お互いの直筆で記入、捺印し、同意のうえで提出という一連の流れがありました。
こうした面倒な作業をするためには、離婚協議中の夫婦が時間を作って話し合いを重ねるひつようがあります。
しかし、手間をかけることによって離婚を免れるケースがあるのも事実。
役所に離婚届を持って行った際に、切羽詰まった表情をしている提出者に「本当にいいの?今ならまだ大丈夫だよ」と一声かけてくれる担当の人だっています。
そういった様々な手間がなくなることで、離婚するカップルが増えるのは簡単に想像できますね。
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