2020年9月1日に東京本部所属の女流棋士2級になった野原未蘭さん。
現役女子高生で最年少の女流棋士になるということで注目されていますね。
これからの活躍に期待がかかる野原未蘭さんについてまとめました。
野原未蘭のwiki風プロフ
女流棋士へ王手 野原未蘭さん(富山第一高2年) (北日本新聞) https://t.co/JbPqiQpMbv pic.twitter.com/3YTwDkqpq2
— naito (@risoluto_happpy) July 21, 2020
名前:野原未蘭
読み方:のはら・みらん
生年月日:2003年8月4日
年齢:17歳(2020年8月現在)
出身地:富山市蓮町
師匠:森内俊之九段
得意戦法:英春流
富山県出身の野原未蘭さんは、女流棋士2級になった2020年9月時点ではなんと現役の高校二年生。
将棋を始めたのは5歳の時だそうで、英才教育と言えますね。
趣味は音楽・映画鑑賞、絵を描くことということ。
将棋をはじめ、室内でゆっくりとたしなむような趣味を持っている未蘭さんですが、幼い頃はピアノ、バレエ、チアリーディングに水泳と、身体を動かす習い事にも通っていました。
中でも水泳は小学校4年生の時まで続けていたそうです。
しかし、未蘭さんの将棋の戦法「英春流」の生みの親である鈴木英春さんの「晩成塾」に通うようになってから、将棋のうでをどんどん上げてきます。
その後数々の大会で勝利をおさめ続け、2020年7月29日に女流2級資格を取得しました。
名前の由来
未蘭さんの名前は「みらん」と読みます。
とっても珍しい名前ですよね。
ご本人も名前の由来をよく聞かれるとおっしゃっています。
実は未蘭さんのご両親が新婚旅行で訪れた地であるイタリアの「ミラノ」に由来するそうです。
「ミラノ」を漢字で書くと「未蘭」と表記されることからこの名前になったとか。
ご両親の愛情と想い出がたっぷりこめられた素敵な名前ですよね。
家族構成
野原未蘭さんは、父・克仁さん、母・智穂子さん、祖母と未蘭さんの4人家族です。
未蘭さんが将棋を始めたのはお父さんの「女流棋士になってほしい」という想いからだそう。
未蘭さんが5歳の時から、自ら将棋を教え込み「棒銀戦法」を使って勝負に勝つよろこびをすり込んだという、かなりの鍛えようです。
棒銀戦法とは
将棋の戦法の一つで、銀賞を棒のように真っ直ぐ進めて攻めること。
対居飛車と対振り飛車の戦法がある。
初心者にも使いやすい戦法だが、プロの対局でもよく使われるもので、加藤一二三九段もこの手法を得意としている。
対戦で間違った手を打って負けた時には、「勝ちたいなら練習するのみ」と一喝。
ご両親がどんなに厳しくても将棋を辞めたいといったことは一度もないそうです。
家族も認める負けず嫌いの性格が、女流棋士になるという大きな夢をかなえたのですね。
ちなみに、未蘭さんの叔父にあたる野原孝行さんも、日本将棋連盟アマチュア三段で、数々の大会で好成績を残しています。
野原孝行さんは、現在富山市にある「富山将棋道場」の師範を務めています。
未蘭さんは将棋界のサラブレッドともいえますね。
親族一丸となって未蘭さんの将来を応援しているのが分かりますね!
学歴や高校について
【野原未蘭の学歴】
2016年:富山市立荻浦小学校 卒業
2019年:富山市立岩瀬中学校 卒業
2019年:私立富山第一高等学校 入学
野原未蘭さんは2020年8月現在、現役の高校2年生です。
未蘭さんが通っている高校は地元富山市にある私立富山第一高等学校。
サッカーの強豪校として知られており、プロサッカー選手を多く輩出しています。
S特別進学コース、特別進学コース、美術コース、総合コースの4つのコースがあり、未蘭さんが通っているコースは分かりませんでしたが、将棋で鍛えた頭の良さで進学コースに通っているかもしれませんね。
もしくは絵を描くのが好きということなので、美術コースかな?
県内でも有名な私立高校ですので、大学への進学も考えているでしょうね。
女流棋士としての活動も忙しくなることから、進学するなら東京の大学を選ぶかもしれませんね。
未蘭さんが卒業した中学校は富山市立岩瀬中学校です。
中学時代から出場する大会で優勝や連覇ばかりの偉業を成し遂げています。
将棋界で活躍する若い棋士たちって、学生の頃からとびぬけている人ばかりですね。
ちなみに小学校は富山市立荻浦小学校を卒業しています。
生まれてからずっと地元を離れることなく育ってきた未蘭さん、町中で知らない人がいないほど有名なんでしょうね。
地元の方にとっても未蘭さんはスーパーヒーローで、誇りにおもっていることでしょう!
将棋の経歴や戦績
東急将棋まつり2日目。白瀧あゆみ杯1回戦第2局。
対局者の野原未蘭アマ(第50期女流アマ名人)の入場シーンです。 pic.twitter.com/Y5oavowhs9— 直江雨続 (@ametsugu_naoe) August 3, 2019
未蘭さんは、お父さんの克仁さんの指導の元でわずか5歳の頃に将棋を始めます。
家庭では詰め将棋やネット対戦などで練習をし、力をつけていきます。
小学校2年生(8歳)の時に出場した第4回小学生駒姫名人選の初級クラスでいきなりの優勝。
小学校4年生の時に、元奨励会三段の鈴木英春さん主宰の「晩成塾」で指導を受け始め、さらに力を伸ばしていきます。
晩成塾で教え込まれた「英春流」という戦法を武器に闘います。
英春流とは
未蘭さんの師匠である鈴木英春さんが開発した将棋の戦法。
指しまわしが特徴的な戦法で「かまいたち」「カメレオン」などの指し方の総称である。
その後は小学生駒姫名人選で毎年クラスをあげていきながら、5年生で名人クラス優勝、6年生では連覇を達成しました。
中学生になってからも快進撃はつづき、中学一年(13歳)でマイナビ杯第8回中学生女子名人戦で優勝。
決勝の対戦相手は現在女流棋士として活躍している礒谷真帆さんでした。
同年12月には第9回女流アマ王位戦で優勝しています。
中学一年生で女子のアマチュアトップに立つとは、さすがですよね。
2017年、中学2年生の時に第49回女流アマ名人戦優勝、第10回女子アマ王位戦優勝(2連覇)を果たし、女子アマチュアの2冠となります。
2018年に出場した第43回中学生将棋名人戦では男女混合の大会で女子初の優勝を果たしています。
2019年には高校一年生でありながら、アマチュアを勝ち抜いて出場した第9回女流王座戦で、礒谷真帆さんと千葉涼子さんを連続でうち負かし、2次予選進出を果たしました。
同年10月には第51回女流アマ名人戦で優勝し、史上初の三連覇を達成しています。
野原未蘭の戦績一覧 | ||||
2011年 | 8月 | 8歳 | 第4回小学生駒姫名人戦 初級クラス | 優勝 |
2013年 | 8月 | 10歳 | 第6回小学生駒姫名人戦 B級クラス | 準優勝 |
2014年 | 8月 | 11歳 | 第7回小学生駒姫名人戦 名人クラス | 優勝 |
2015年 | 8月 | 12歳 | 第8回小学生駒姫名人戦 名人クラス | 優勝(連覇) |
2016年 | 8月 | 13歳 | 第8回中学生女子名人戦 | 優勝 |
12月 | 第9回女流アマ王位戦 | 優勝 | ||
2017年 | 9月 | 14歳 | 第49回女流アマ名人戦 | 優勝 |
12月 | 第10回女子アマ王位戦 | 優勝(連覇) | ||
2018年 | 7月 | 第43回中学生将棋名人戦 | 優勝 | |
8月 | 15歳 | 第39回全国中学生選抜将棋選手権大会 女子の部 | 優勝 | |
10月 | 第50回女流アマ名人戦 | 優勝(連覇) | ||
2019年 | 5月 | リコー杯女流王座戦 | 2次予選進出 | |
10月 | 16歳 | 第51回女流アマ名人戦 | 優勝(3連覇) |
数々の輝かしい成績を残しながらも、学生の間のプロ入りは考えていなかったそうです。
しかし、2020年2月に新進棋士奨励会の下部組織ともいわれる、研究会の東海地区に入会します。
その後、4年連続で出場している女流公式戦の倉敷藤花(くらしきとうか)戦の第28期で、プロの女流棋士をのきなみ倒して準決勝まで進出しています。(2020年8月17日現在)
これで「アマチュア枠で出場した女流棋士戦でベスト8に入ることで女流棋士の資格が得られる」という規定を満たしました。
プロになるためには、新進棋士奨励会に入会して要件を満たすというやり方が一般的ですが、未蘭さんはそのみちを選ばず、アマチュアから勝ち上がるという方法を選んだということですね。
これを機に、鈴木英春さんの指導を離れ、十八世名人資格保持者である森内俊之九段を師匠としました。
森内九段を師匠としたことで「女流トップになるには最適な選択だ」「森内九段がつくとは、相当期待されている証拠だ」と将棋ファンの中ではますます期待が高まっています。
おわりに
これからの活躍が期待される野原未蘭さん。
将棋界も一層盛り上がりを見せそうですね。