さっぱりとした味が人気のウリ科の野菜、ズッキーニ。
夏になればスーパーなどでも安く売られており、カレーや炒め物、サラダなどにいろどりを添えてくれます。
本来ならクセがなく、子どもでもおいしく食べられるズッキーニですが、たまに少し苦いズッキーニに当たることがあります。
苦味があるとお料理全体に影響してくるし、下処理で苦味を取ることはできるのでしょうか?
この記事では、ズッキーニの苦味を取るいくつかの方法をご紹介していきます。
また、ズッキーニの苦味の正体や、食べられるかどうかの判断についてもまとめましたので、参考になれば幸いです。
目次
ズッキーニの苦味を取りたい!苦い成分はどの部分に多いの?
ズッキーニは昔こそレストランのメニューに出てくるようなおしゃれな野菜というイメージでしたが、今はスーパーや直売所などでよく見かけるようになりました。
炒め物やサラダなど、調理法も多岐にわたるため、使い勝手がよい野菜として人気ですね。
ズッキーニはさっぱりとした味で、お肉や野菜などと相性がよいのですが、まれに苦さを感じるものもあります。
ズッキーニの苦さの正体は、ズッキーニに含まれる「ククルビタシン」と言う成分。
ククルビタシンは、少量であれば血糖値降下作用、血圧降下作用などがあると言われているそうです。(出典:かずさDNA研究所)
ズッキーニのほかのウリ科の野菜にも含まれています。
【ククルビタシンが含まれる野菜】
- カボチャ
- きゅうり
- スイカ
- メロン
- ひょうたん など
その昔のウリ科の野菜にはククルビタシンが多く含まれていたそうですが、品種改良が重ねられ、現代ではその含有量は微量だそうです。
まれに当たってしまう苦味のあるズッキーニは、気温変化、水分不足、同じ畑からの連鎖などにより含有量が増えてしまったためだそう。
では、ククルビタシンはズッキーニのどこの部分に多いのか?
ズッキーニを含むウリ科の野菜では、ヘタの近くに一番多くククルビタシンが含まれています。
同じウリ科の野菜であるキュウリは、ヘタだけでなく皮の部分が苦いことがありますが、ズッキーニは違うんですね。
また、ズッキーニの鮮度が落ちたから苦味が増す、などということもありません。
ちなみに、ズッキーニが苦いかどうかを見た目で判断することはできないそう。
苦味があるかどうかを確かめる方法はただ一つ。
ヘタの近くを切って、ペロッと舐めるしかない!
お料理ができてしまってからではもったいないので、ズッキーニは調理前に味見をすると決めておきましょう。
ズッキーニの苦味を取る方法は?アク抜きや塩ゆでなど下処理や加熱は有効?
せっかく買ったズッキーニ、食べるならおいしく頂きたいですよね。
ズッキーニは基本的に下処理せずに食べることができます。
調理前に苦味があるかを確認し、なければそのままお料理に使って大丈夫。
なんとなく苦味があるような、無いような…?そんなズッキーニに当たった場合、アクを取る下処理で食べやすくなります。
アク抜きの方法①
【材料】
- ズッキーニ 1本
- 水 500ml
- 塩 小さじ半
【アク抜きの方法】
- ズッキーニのヘタとおしりを切り落とし、1cm幅の輪切りまたは調理に適した形に切る
- ボウルに塩水を作り、ズッキーニを入れて10分置く
- ズッキーニを塩水から上げ、水けをしっかり切る
- キッチンペーパーなどで水分をよくふき取る
アク抜きの方法②
【材料】
- ズッキーニ 1本
- 塩 少々
【アク抜きの方法】
- ズッキーニのヘタとおしりを切り落とし、1cm幅の輪切りまたは調理に適した形に切る
- 表面に軽く塩を振り、10分置く
- ズッキーニから出てきた水分をキッチンペーパーなどでよくふき取る
塩ゆでや加熱で苦味がとれる?
野菜の中には、塩ゆでや湯通しなど加熱をすれば苦味がとれるものもあります。
例えば、ズッキーニと同じウリ科のゴーヤは、サッと熱湯をかけて湯通しすることで苦味が抜けやすくなりますね。
ゴーヤにもククルビタシンが微量に含まれていますが、主な苦味は「モモルデシン」と言う成分で、ククルビタシンとは違うものです。
モモルデシンは苦味が水に溶けやすいため、湯通しで和らぐというわけ。
ズッキーニに含まれるククルビタシンは、加熱しても成分が変わらないため、苦味がなくなることはありません。
加熱すれば苦味がとれると思って下処理をせず調理すると、一緒に調理した食材まで苦くなってしまうのでご注意を。
調理前に苦味があるかを確かめるのが最善策です。
ズッキーニの苦味が強い場合は食べても大丈夫?摂取できる苦さの程度は?
ズッキーニの苦味の成分であるククルビタシンには、血糖値降下作用や抗酸化作用、抗ガン作用などがあると言われているそうです。
少量であれば体によいククルビタシンですが、大量に摂ってしまうと食中毒の症状を引き起こすことがあります。
実は苦いズッキーニを食べて食中毒になったというのは珍しくない話で、これまでに何度も集団食中毒の事例があるんです。
ククルビタシンによる食中毒の症状として、腹痛や吐き気、下痢、しびれ、めまいなどがあげられます。
食中毒になるほど大量のククルビタシンが含まれたズッキーニは、味見した瞬間に異常な苦みや渋味を感じたり、舌がしびれるような感覚があります。
明らかに苦いと感じたら、注意が必要です。
では、少しでも苦ければ食中毒になってしまうのかというと、必ずしもそうとは限りません。
いつもより苦いような気がするという程度なら、アク抜きなどの下処理をすれば苦味やえぐみは和らぐはず。
下処理をして苦味が和らいだと感じれば、ほとんどの場合問題なく食べられるでしょう。
難しいのは、ギリギリいけそうな味の場合。
このレベルを超えたら体に悪影響が出るというはっきりとした基準がないので、判断に困りますよね。
せっかくのズッキーニがもったいないという気持ちもありますが、食中毒になってしまっては大変ですし…。
半信半疑で食べてしまい、あとから後悔するよりも、迷った時点でいさぎよく食べるのを諦めることをおすすめします。
ズッキーニの苦味を取る方法まとめ
ズッキーニは代表的な夏野菜の仲間入りを果たしたと言ってもよいほど、人気急上昇の野菜です。
ビタミンや食物繊維など、美容や健康によい成分もたっぷり含まれているので、じょうずに取り入れていきたいですね。
ズッキーニの苦味について詳しく知りたいかたはこちらもご覧ください。
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