夏の旬野菜ズッキーニは、サラダや炒め物、カレーなど幅広いお料理に使える人気食材。
クセのないさっぱりとした味がおいしいズッキーニですが、ごくまれにとてつもなく苦いズッキーニに当たることがあります。
実はズッキーニには食中毒の原因となる毒が含まれていることがあり、毒が多いほど苦味が増すそうです。
せっかく手をかけて料理したのに、苦味があって残念。
捨ててしまうのはもったいないし、せめてズッキーニ以外の具材は食べても大丈夫なんじゃ?という疑問が出てきますよね。
そこでこの記事では、苦いズッキーニを一緒に炒めたり、調理してしまった場合の対処をご紹介。
苦いズッキーニと一緒に炒めてしまった野菜や肉などの具材は食べてもよいのか?
安全か危険かの目安や、食べてしまったときの対処法もまとめています。
目次
苦いズッキーニを一緒に炒めてしまった!他の具材も苦くなるのはなぜ?
夏になればスーパーなどでよく目にするズッキーニ。
きゅうりのような見た目で、イタリア料理などちょっとおしゃれなメニューに出てくるイメージですよね。
最近では家庭料理でもサラダや炒め物、カレーなどに入れておいしく頂けると人気です。
しかし、すごくまれに苦味やえぐみが強いズッキーニに当たることがあります。
ズッキーニの苦味の原因は「ククルビタシン」という毒性のある成分です。
ズッキーニの仲間であるキュウリやカボチャ、スイカなどのウリ科の野菜にも含まれています。
最近では品種改良が進み、ククルビタシンの含有量も少量となっているため、苦いズッキーニは市場に出回りにくいそう。
しかし、栽培中の温度変化や水不足、同じ畑の作物から連鎖などによりククルビタシンが多く含まれるズッキーニができることがあります。
特に家庭菜園で育てたズッキーニは農家ほど栽培環境が管理されていないため、注意が必要ですね。
ククルビタシンを多く含んだズッキーニを調理すると、他の具材にも苦味が移ることがあります。
ククルビタシンは水溶性のため、特に水分の多いカレーなどには多く苦味が移るそうです。
また、ククルビタシンは熱に強いため、調理したからと言って毒性が消えるわけではないので、注意が必要です。
苦いズッキーニと一緒に炒めてしまった野菜や肉などの具材は食べられる?安全か危険かの目安は?
せっかく作ったお料理が、ズッキーニの苦味で台無しになってしまうのは残念ですよね。
捨ててしまうのはもったいないし、苦味を我慢して食べても問題ないのでは?と迷ったり。
苦いズッキーニはククルビタシンによる食中毒の危険性があるので、食べないようにしましょう。
では、苦味の元であるズッキーニを食べるのは無理でも、一緒に炒めたり調理した具材は食べてもよいのでしょうか?
ズッキーニほどの危険性はないものの、調理中にククルビタシンが溶け出して他の具材に影響を与えることもあるので、できれば食べないほうがよいそうです。
一緒に炒めたり調理してしまった具材でも、特に苦味が強いものはズッキーニ同様、食べるのをやめておきましょう。
お料理を破棄するのは、手間や時間、食材のことを考えると心が痛みますが、人間の健康には代えられません。
ククルビタシンが多く含まれているズッキーニを、調理前に見分ける方法があればよいのですが、残念ながら見た目では苦さがわからないそう。
自分の舌で確かめるしかないそうです。
ククルビタシンはズッキーニのヘタ付近に多く含まれているので、調理前に少し舐めてみて、苦いかどうかを確認すると決めておくとよいですね。
苦いズッキーニと一緒に炒めてしまった野菜や肉などの具材を食べてしまったときの対処法は?
苦いズッキーニが食中毒を起こすことがあると知らずに食べてしまったとき、どのように対処すればよいのでしょうか。
苦いズッキーニを食べてしまったとき、食後2時間ほどで食中毒の症状が現れることがあります。
主な症状は以下の通り。
- 腹痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- めまい
- しびれ など
苦いズッキーニや一緒に炒めたり調理した具材を食べたからといって、このような症状が必ず出るわけではありません。
ズッキーニをよけて他の具材だけ食べた場合には、ズッキーニそのものを食べるより危険性は低くなるでしょう。
しかし、心配な場合は食後すぐに忙しく動いたりせず、安静にして水分をたくさん摂るとよいそうです。
症状が出る目安は2時間程度だそうなので、せめてその間はゆっくりしておくとよいですね。
もし吐き気や腹痛など、何らかの症状が現れた場合は、家庭でできる応急処置で対処しましょう。
家庭でできる応急処置
- 水分をたっぷりとる
- 安静にする
- 寝るときは体を横向きにする
- 嘔吐や下痢は我慢しない
嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐため、水分はたくさん摂るようにします。
常温~温かい水やスポーツドリンク、経口飲料水など体に吸収しやすいものを選びましょう。
また、体を休めたいときは吐きやすい体勢で、横向きに寝るようにすると、吐いたものがのどに詰まるのを防ぐことができます。
下痢や嘔吐は、毒を体の外に出そうとする生理的反応なので、我慢せずに出してしまいましょう。
症状がひどいとき、長引くときは医療機関を受診します。
妊婦や子供、高齢者、基礎疾患がある方は、軽症でも念のために受診した方が安全ですね。
苦いズッキーニと一緒に炒めてしまったときについてのまとめ
苦いズッキーニとわからずに調理してしまい、一緒に炒めたりした具材も食べられないのはちょっともったいない気もしますね。
しかし、食中毒を起こす可能性を考えると、破棄するのは仕方ないこと。
もし食べてしまった場合は、食後の体調をよく観察し、異常があれば早めに医療機関へ行くか判断するのがよいですね。
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