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早稲田大学応援歌「紺碧の空」の誕生秘話と朝ドラ・エールとの違いや共通点は?

2020-05-19

野球ボールとユニフォーム

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早稲田大学の応援歌「紺碧の空」(こんぺきのそら)の作曲者である古関裕而をモデルとした朝ドラ「エール」が話題になっていますね。

ドラマの中では「紺碧の空」の誕生秘話として、早稲田大学応援部の団員が、主人公の古山裕一の家に押しかけて、大騒ぎするという出だしでストーリーが進んでいます。

視聴者もドキドキするようなおもしろい展開になっていますね。

では、実際の「紺碧の空」はどうやって生まれたのでしょうか。

古関裕而作曲の早稲田大学応援歌「紺碧の空」誕生エピソードや、朝ドラ「エール」との共通点をまとめました。

早稲田大学応援歌「紺碧の空」誕生秘話

朝ドラで描かれている「紺碧の空」誕生エピソードの背景には、古関裕而が曲を作った実話がモデルとしてあります。

本物の「紺碧の空」の誕生エピソードはどのようなものだったのでしょう。

早慶戦をもとに東京六大学野球連盟が発足

古関裕而作曲の「紺碧の空」の誕生を語るうえで、欠かせないのが、1903年に初開催された「早慶戦」です。

早慶戦は文字通り早稲田大学と慶応義塾大学の戦いで、当時「野球界の頂点対決」として人気を博し、日本国民を巻きこんで盛りあがった対戦カードです。

しかし、しだいに学生同士の応援が過熱し、衝突をもたらしてしまうなど、継続することは危険と判断され、わずか3年で中断されました。

早稲田・慶応ともに全校をあげて、よほどの熱の入れ具合だったのですね。

中断後も早慶戦の復活のための仲裁がつづけられていましたが、慶応側が受け入れをかたくなに拒否。

早慶戦は中断したものの、1914年には早稲田、慶応、明治大学の三大学連盟が結成され、1917年に法政大学1923年に立教大学、そして1925年に東京帝国大学(現東京大学)が加入し、現在の東京六大学野球連盟が正式に発足することになりました。

東京六大学野球連盟の発足により、これまで拒み続けていた慶応も折れ、1925年にようやく早慶戦が復活します。

復活までに19年という長い期間を要しました。

早稲田大学の連敗

待望の復活をなしとげ、互いを最大のライバルとする早慶戦では、1927年から1930年は慶応が一方的に勝ち続けている状況が続いていました。

早慶戦の結果が大学内の雰囲気を左右するなど、敗戦の影響力はおおきく、早稲田は一刻もはやくこの状況を打破する必要がありました。

そこで目を付けたのが、慶応の応援歌「若き血」です。

慶応の勢いは、この「若き血」が応援歌として発表されたころから加速していて、野球部を何倍にもパワーアップさせていました。

「若き血」に対抗するような力のある応援歌が必要だとさとった早稲田大学の応援部は、学内で応援歌を募集し、審査は詩人で作詞家の西條八十(さいじょうやそ)にまかせました。

西條八十とは

大正から昭和にかけて、「青い山脈」や「東京行進曲」「ひめゆりの塔」などの流行歌、「カナリヤ」などの童謡をうんだ詩人。

古関裕而とも何度もタッグを組んで名曲を生み出している。

沢山の応募のなかから選出されたのが、当時高等師範部3年の住治男が作詞した「紺碧の空」でした。

住治男とは

早稲田大学高等師範部(現在の教育学部の前身)に在学していた学生

西城八十からは「一字一句も直すところなし」と言わしめたほどの完璧な歌詞でした。

紺碧の空 住治男作詞

1 紺碧の空仰ぐ日輪

光輝あまねき伝統のもと

すぐりし精悦闘志は燃えて

理想の王座を占むるものわれ等

早稲田 早稲田 覇者 覇者 早稲田

2 青春の時 望む栄光

威力敵泣き精華の誇

見よこの陣頭歓喜あふれて

理想の王座を占むる者われ等

早稲田 早稲田 覇者 覇者 早稲田

引用:早稲田大学応援部

古関裕而へ作曲の依頼が届く

闘魂を奮い立たせるような歌詞が選出されたものの、作曲者が決まらずにいました。

それもそのはず、あの「若き血」に勝るような強烈なメロディーを作れるものはそうそういません。

この詩を選出した西城八十は、「素晴らしい詩だが、作曲は困難になるだろう。山田耕筰や中山晋平のような大物にたのまなくてはだめだ」といっていたほどです。

大物にたのむといえど、それほどの予算もありません。

その時の応援部には、古関裕而と同郷の歌手の伊藤久男のいとこの伊藤戊が所属していました。

伊藤久男とは

福島県出身の歌手。

古関裕而作曲の「イヨマンテの夜」など数々の歌をヒットさせている。

早稲田大学応援部の伊藤戊は伊藤久男のいとこ。

伊藤戊は、「いとこの友達に無名だが将来が有望な作曲家がいる」と、当時コロンビアの新人だった古関裕而を推薦したのです。

古関裕而も「とても名誉なことだ」とよろこんで承諾しましたが、応援歌を作った経験もあまりなく、リズムがうかばずに苦労しました。

「紺碧の空」を披露する予定の早慶戦も目前にせまり、高山三夫を含む応援部も古関裕而の家におしかけ、発表の3日前にようやく完成したのです。

高山三夫とは

「紺碧の空」がうまれた1931年当時、早稲田大学応援部に所属していた部員

きたるべき慶応戦に向け、古関裕而みずからが応援団に歌唱指導をするほどの熱のいれようでした。

「紺碧の空」が勝利を呼び込む

渾身の応援歌「紺碧の空」をかかげて戦いにいどんだ早稲田大学は、1931年春のリーグ戦で慶応大学を相手にみごと勝利をおさめました。

これを機に、当初第六応援歌として作られた「紺碧の空」は第一応援歌となり、全国に広まりました。

「紺碧の空」をきっかけに、古関裕而のスポーツ音楽作曲家としての道が開けていったのです。

朝ドラ・エールとの違いや共通点は?

朝ドラエールでは、紺碧の空誕生秘話として、主人公の古山裕一(窪田正孝)の家に早稲田大学の応援部5代目団長の田中隆(三浦貴大)率いる応援部員がおしかけるところからはじまります。

突然おしかけたかと思えば、「この度は応援歌の作曲を引き受けていただきありがとうございます!」と大声でお礼を言い、裕一を胴上げしはじめます。

実はこの裏には、佐藤久志(山崎育三郎)の手まわしがありました。

早慶戦で11連敗という危機におちいっていた野球部を救うべく、打倒慶応をかかげた応援部は、慶応の応援歌「若き血」を凌駕する応援歌をつくることを決断します。

歌詞は学内で募集した「紺碧の空」に決定しましたが、作曲を依頼する人物が決まらずにいたところ、団長の田中が若く将来のある作曲家に頼みたいと言いだします。

そのとき、部員の一人である佐藤幸太郎(斎藤嘉樹)が、いとこの佐藤久志に作曲の話を相談しようと手をあげたのです。

幸太郎から応援歌の作曲の話を聞いて久志の頭にうかんだのは、同郷の作曲家である裕一の顔でした。

久志は、まずは裕一の妻、音(二階堂ふみ)に事のいきさつを話します。

音もどうすればよいのか悩みました。

久志が音に相談したことで、裕一が作曲を承諾してくれたと勘違いしてしまった応援部が、感極まり古山家まで押し掛けたというわけだったのです。

一旦は作曲を断るものの、ライバル慶応の応援歌「若き血」を作曲したのが、憧れの小山田耕三(志村けん)だということを知り、耕三とおなじ土俵にたつべく作曲を引きうけます。

作曲を引きうけたあとで、曲が作れずに行き詰ってしまった裕一をのこし、音は実家のある豊橋に帰ってしまいます。

音がはなれてしまってから裕一は、むかしは音のために曲を作っていたことを思い出しました。

誰かのために曲を作ることにもう一度目ざめた裕一は、それまでのスランプを取りかえすかのように「紺碧の空」を仕上げていくのでした。

以上のようなストーリーが朝ドラエールの「紺碧の空」の誕生秘話となります。

こうしてみるとドラマのストーリーも、早慶戦が絡んでくるところや、「紺碧の空」の作曲に苦労した話など、実話に近い形でかかれていますね。

早稲田大学の主要応援部員も、それぞれモデルとなった実在人物がいますし、かなりの再現度といえるでしょう。

主要応援部員のモデル

田中隆(三浦貴大):高山三夫(早稲田大学応援部員)

佐藤幸太郎(斎藤嘉樹):伊藤戊(伊藤久男のいとこ)

残念ながら、古関裕而が実際に何に苦労し「紺碧の空」を仕上げるのに時間がかかったのかなど、書籍や資料などには明確に記載されていないので比較することができません。

朝ドラでは、その明らかにされていない部分をドラマチックに仕上げてストーリーとしているのだと思われます。

おわりに

古関裕而が作曲した「紺碧の空」の誕生ストーリーには、早慶戦の歴史や、古関裕而の作曲家としての挑戦がありました。

「紺碧の空」は古関裕而を日本を代表するスポーツ音楽の作曲家として知らしめる代表作となったのですね。

朝ドラのエールでも、実話にかなり忠実なストーリーになっていることが分かりましたね。

古関裕而の残した名曲は「紺碧の空」以降どんどん出てくるので、朝ドラでどのように描かれるか楽しみにしています。

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