オシャレな野菜というイメージがあるズッキーニ、最近ではスーパーでも手軽に手に入るようになりました。
スッキリとしたさわやかな味がおいしいズッキーニですが、まれに強い苦味を感じることがあります。
ズッキーニの苦味の原因は、ヘタの部分に多く含まれる「ククルビタシン」という毒性の成分。
苦いズッキーニを食べたことで食中毒になるケースもあるので、気を付けたいところですね。
しかしズッキーニで食中毒になることを知らず、食べた後あとに気づくことも。
食後だともうあと戻りできないのですが、せめてどのくらいの量を食べると食中毒の危険が高まるのか、知っておきたいですよね。
そこでこの記事では、苦いズッキーニをどのくらいの量食べたら食中毒の症状が出るのか、過去の事例なども参考に解説していきたいと思います。
また、食中毒の症状が出るまでの潜伏期間や、具合が悪くなった時の対処法などについてもまとめました。
目次
ズッキーニで食中毒になる量はどのくらい摂取したとき?過去の事例も!
ズッキーニはウリ科に属する夏野菜で、カボチャやキュウリ、スイカなどの仲間です。
スーパーで見かけることが多くなりましたが、家庭菜園でも簡単にできると人気の野菜で、炒め物やカレー、サラダなど調理法も幅広くあります。
ズッキーニは本来クセがなく、子どもでも食べやすい野菜ですが、ごくまれにとても苦いズッキーニに当たることがあります。
ズッキーニが苦くなる原因は、ズッキーニに含まれる「ククルビタシン」という成分のせい。
ククルビタシンが多く含まれるズッキーニは、食べた後に食中毒の症状が出る危険性があります。
ズッキーニで起こる食中毒の主な症状は以下の通り。
【ズッキーニ食中毒の症状】
・腹痛や吐き気
・下痢
・嘔吐
・しびれ
・めまい など
主に消化器系の不調が症状として現れるんですね。
ズッキーニが苦いと感じたら、安全第一で食べるのをやめたほうがよいでしょう。
では、知らずに食べてしまった場合、どのくらいの量のズッキーニで食中毒症状がでるのか知っておきたいですね。
ズッキーニで食中毒になる量を調べてみたところ、はっきりと「何グラムの量を食べたら食中毒になります」と書かれた情報は見つかりませんでした。
ズッキーニのククルビタシンのような自然毒の食中毒は珍しくないのですが、それぞれの事例によって症状の出方も違うため、明確な量を算出するのは難しいのでしょう。
過去のズッキーニによる食中毒の事例から、どのくらいの量を食べて症状が出たのかを確認すれば、目安になるかもしれません。
一つ目の事例として、2014年岡山県で起きた食中毒から。
20~60代の男女が、ズッキーニを含む料理を食べたあとに腹痛などの食中毒症状を起こしています。
会社の同僚の集まりだったそうですが、15人のメンバー中、ズッキーニを食べた14人に症状が出て、残るひとりは大丈夫だったことなどから、ズッキーニの食中毒と確定されたそうです。
食べた人全員が強い苦味を感じたそうで、中にはたった一口しか食べていないのに強い症状が出た人もいたんだとか。
下痢や腹痛はありましたが、命に別状はなかったそうです。
一口食べただけで症状が出るって、どれだけ強い毒性なんでしょうね。。。
また、2020年に東京都内の社員食堂で出された「夏野菜のオリーブオイル焼き」に入ったズッキーニでも食中毒が起こっています。
この件ではズッキーニを食べた量は明記されていませんでしたが、他の野菜と一緒に調理しているため、少なければ2~3切れ、多くても5切れくらいの量ではないでしょうか。
このことから、ズッキーニで食中毒になるのは、どのくらいの量を食べたかではなく、ククルビタシンがどのくらい含まれるかによるようですね。
上の事例のようにほんの少しの量を食べただけで食中毒になってしまうズッキーニは、口に入れた瞬間に異様な苦味や渋味を感じるそうです。
食べれば口腔内やくちびるがしびれたり、渋味が口いっぱいにこびりついたようになるため、すぐに危険と察知できるというのでご安心を。
我が家では先日、ズッキーニで作った麺(ズードルと言うらしい)を作りました。
家族全員がズッキーニ1本分の量を食べたのですが、それがいつもより少し苦いものでした。
食べた後に苦いズッキーニには毒があると知り、慌てていろいろと調べたのですが、待てど暮らせど食中毒の症状は現れず。
「いつもより苦い」くらいなら、ある程度の量を食しても大丈夫だということが分かりましたが、危険だと知った以上、次回からは少しでも苦いズッキーニは食べないと心に決めました。
ズッキーニで食中毒になる潜伏期間は摂取後どのくらいたったとき?
ズッキーニで食中毒になるのは、食べた量ではなく、ズッキーニに含まれるククルビタシンの量が関係していることが分かりましたね。
では、もし食中毒の症状が出る場合、食後どのくらいの潜伏期間があるのでしょうか。
多くの情報によると、食後2時間前後で腹痛などの症状が出ると言われています。
しかしこれも、情報の出所によっては潜伏期間の目安はまちまち。
例えば、先ほどの事例のうち、東京都内の社員食堂の食中毒の時間帯はランチタイムだったそうで、早い人は1時間後に症状を訴えたそうです。
それを皮切りに、徐々に症状が出る人が増え、午後8時くらいまでに8人が症状を自覚したそうです。
また、ズッキーニの食中毒体験談を記したものには、食べ終わってすぐに腹痛が始まったというものもありました。
ズッキーニの摂取量や個人の差などで、潜伏期間も変わってくるんですね。
食中毒の原因でよくあるサルモネラ菌、カンピロバクター属菌などは潜伏期間が8時間~数日かかると言われます。
それらに比べると、ズッキーニは症状が出るのが早く、潜伏期間は短いと言えますね。
ズッキーニの食中毒の治療方法は?家庭でできる解毒方法や対処も紹介
ズッキーニによる食中毒を防ぐために、苦いズッキーニを買う前に見分ける方法はあるのでしょうか?
実は苦いズッキーニを見分ける方法はないそうで、食べてみなければわからないんだとか。
お料理を無駄にしないためにも、調理前にヘタの近くを切って、舐めて確かめると決めておくとよいですね。
もし苦いズッキーニを食べてしまったとき、どのような対処をすればよいのでしょうか。
残念ながら、体内に入ってしまったククルビタシンを解毒する方法はないとのこと。
症状が出たときに対処するしかすべはないそうです。
苦いズッキーニを食べたあとには、体調をよく観察しながら過ごすことが大切です。
体に入った毒を排出できるよう、こまめに水分を摂るようにしましょう。
もし腹痛などの症状が出た場合は、動き回ったり無理をせず、ゆっくり安静にしておきましょう。
食中毒による嘔吐や下痢は、市販の薬で無理に止めると症状が悪化する可能性があるそうなので、使用は控えたほうがよいとのこと。
もよおしたときには、我慢せずに出しきったほうがよいそうです。
嘔吐や下痢が原因となる脱水症状を防ぐために水分をたっぷりとります。
常温や温かい水、スポーツドリンクや経口飲料水などの身体に吸収されやすい飲み物を選んでください。
体がだるくて横になるなら、吐きやすい体勢で体を横向きにして寝ると、吐いたものがのどに詰まるのを防ぐことができます。
症状が強ければ急いで医療機関を受診しますが、妊婦や子供、高齢者、基礎疾患がある人は軽症でも診察を受けておくと安心ですね。
食中毒で医療機関を受診したら、便検査や血液検査、レントゲン検査などが行われます。
嘔吐や下痢がひどいときには点滴を行ったり、症状に合った整腸剤や制吐剤などが処方されます。
ズッキーニで食中毒になる量についてのまとめ
ズッキーニで食中毒になる量についてご紹介してきましたが、これを書いた自分自身、苦いズッキーニに当たる前は食中毒の危険性を全く知りませんでした。
食中毒になるのはククルビタシンの含有量で、ズッキーニ自体の量ではないことがわかりましたが、やはり少しでも苦いズッキーニは食べないほうがいいですね。
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