海外在住の日本人にも10万円の特別定額給付金の支給を検討しているとの発表がありました。
収入や生活に支障があるのは、どこの国に住んでいてもおなじこと。
住んでいる国によっては、たとえ永住権を持っていても外国人だからということで、助成金などが受けられないところもあります。
そんな人にとっては朗報ともいえるニュースですが、気になることは山ほどありますね。
・海外在住者が給付金をもらえるのはいつ?
・対象者の条件は?子供ももらうことができる?
・申請方法は?
・振込先の銀行口座は?
・為替で受取金額が変わる?
そこで今回は、海外在住の日本人を対象とした10万円の特別定額給付金支給について調べてみました。
目次
海外在住者にも10万円給付!もらえるのはいつ?
日本政府は、6月10日に感染症の拡大を受けた緊急経済対策としている、国民一人あたり一律10万円給付の対象に、海外在留邦人を加える検討に入りました。
これが実現すれば、海外で困っている日本人にとってはとても助かりますね。
では、10万円の給付はいつ頃になるのでしょう?
現時点では検討に入ったと発表されたばかりなので、支給される時期についてはまだ何も決まっていないようです。
しかし、財源は2次補正に計上した10兆円の予備費を使う方向など、給付金の出どころも確保できているような報道もあるので、かりにこの案が可決すれば、さほど時間がかからずに支給されるかもしれません。
例として、日本に住んでいる人を対象とした10万円給付が、発案から支給までどのくらい時間がかかったのかみてみましょう。
【10万円給付開始までにかかった期間】
4月17日 国民一人当たり10万円給付が決定
4月27日 これを盛り込んだ2020年度補正予算案が国会に提出される
5月1日 10万円の支給が開始
一人10万円支給が決定してからわずか半月ほどの期間で、10万円の支給が開始されています。
意外と早かったんですね。
在外邦人の現状把握など課題はあるにせよ、今回の案も意外とはやく実現する可能性は十分ありそうですね。
海外在住10万円給付の対象者は?子供ももらえる?
海外在住者の10万円給付の対象者については、いまのところくわしいことは発表されていません。
日本国内での10万円一律給付の対象者は、「2020年4月27日の基準日に、住民基本台帳に登録のあるすべてのひと」でした。
住民基本台帳に登録のある人なら、年齢や国籍は関係なく受給できるという条件でした。
住民基本台帳とは、わかりやすく言うと住民票のことですね。
たとえば、国際結婚をして日本に住んでいる外国人、日本で仕事をしている外国人などでも、自分のすんでいる市町村に住民票をいれていれば、給付を受けることができました。
対象者決定のカギは在留届?
では、海外在住者の場合はどうなるのでしょう?
海外在住者の日本人に支給されるようになった場合、住民基本台帳のかわりになるようなもので、対象者のわりだしや管理がされることになるでしょう。
住民基本台帳の代わりになるものとして「在留届」が考えられます。
Q 「在留届」とはどういうものですか。
A 旅券法第16条により、外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人は、その住所又は居所を管轄する日本の大使館又は総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられております。
在留届を提出することによって、災害などの緊急事態が発生したばあい、安否の確認ができたり、いざというときの連絡や援護がうけられます。
海外に長期で滞在している人は、在留届を提出している人がほとんどでしょう。
この在留届をいま使わずしていつ使う?という考えにいたるのは当然です。
子供は対象になるのか?
一家で海外に引っ越してきたのなら、在留届を提出するときに子供をふくむ家族全員の登録をすませているでしょう。
また、海外で出産した人も、現地の大使館や領事館に出生届をだすときに、うまれた子供の在留届も提出するように指示があるとおもいます。
日本国内では、住民基本台帳に登録されている子供も対象となったことを考えると、
海外でも在留届をだしていれば、子供も受けとれる可能性は十分にあるのではないでしょうか。
重複して受け取る人もいる?
海外に永住又は長期滞在者は、日本の住民票はぬいたうえで、在留届を提出している人がほとんどではないでしょうか。
理由としては、住民票をのこしたままだと、住民税や国民健康保険などを払い続けなければいけないというデメリットがあるからです。
ただ、ワーキングホリデーや学生の留学、家族の扶養で健康保険に入っているなどの理由で、住民票を抜かずに海外に滞在している人がいるのもたしかです。
その場合も3か月以上の滞在であれば在留届の提出は義務づけられているので、住民票もあり、在留届もありの状態です。
つまり、日本にも外国にも両方住んでいるということになってしまいます。
それなら、日本での給付金も海外の給付金もどちらももらえてしまうのでは?
実は住民票と在留届はリンクしていないので、もしかしたらそのような事態も起こってくるかもしれませんね。
かといって日本政府がだまって一人に2回10万円を渡すことはないでしょうから、重複はないようなシステムができあがると思われます。
海外在住者の10万円給付申請方法は?
くわしい申請方法はまだ決まっていませんが、自民党の岸田文雄政調会長が6月8日の会見で
「在外邦人の把握や10万円支給が可能となるシステム構築を政府に要請する方針をしめし、システムができたなら支給をかんがえる」
などと発言していました。
そのシステムというのがどのようなものか分かりませんが、ゼロの状態から構築するのではなく、在留届をもとになんらかの形でつくられることは間違いないのではと思っています。
そのうえで、海外在住者が10万円の特別定額給付金を受けとるには、日本国内と同様に、みずから申請することが必要となってくるでしょう。
オンライン申請の可能性は?
2020年現在、在留届はオンラインで提出できるようになっています。
オンラインで在留届を提出した人は、住所の変更などがあったときも、オンラインで修正手続きをすることができます。
しかし、オンラインのサービスができる以前に、大使館や領事館で手書きにより在留届を提出した人は、住所に変更があったとしても手書きの変更届をだす必要があり、オンラインでの変更は受けつけていません。
また、在外選挙登録申請なども、用紙に記入して直接提出または郵送という、大変アナログなシステムとなっています。
このことから、日本国内で給付金の申請で使われたマイナンバーのような便利なシステムができあがることは考えにくいですね。
やはり申請は、みずから大使館などにでむいて用紙をもらうか、外務省のホームページから申請用紙をダウンロードし、記入して直接提出、または郵送のような形になるのではと考えています。
海外在住者の10万円の受け取り方法は?
海外在住の日本人が10万円の特別給付金を受けとる方法もきになりますね。
日本国内で10万円が給付されたとき、お金の受け取り方法は郵便振替、銀行振り込み、または窓口で直接受けとる方法がありました。
海外の場合も、銀行振り込みまたは大使館や領事館の窓口で直接受けとるというのがいちばん考えられる方法ですね。
振込なら銀行口座は海外?それとも日本の口座?
振込先の銀行口座は滞在国の口座か、日本の口座なのか、どちらになるのでしょう?
海外に永住している、長い期間すんでいるのなら、現地に銀行口座を開設しているでしょう。
その場合は現地口座への振り込みがいちばん簡単で現実的ですね。
しかし、現地の口座を持っていないひとや、日本円で受け取りたいばあい、日本の銀行口座への振り込みは可能なのでしょうか?
可能性はゼロではないでしょうが、あまり現実的でない気もしますね。
理由として、日本国内での給付が各市町村の管轄でおこなわれていることを考えると、海外在住者の10万円給付を管理するのは、滞在国の大使館となることが予想されるからです。
現地の管轄でおこなわれるなら、当然現地の通貨で配られるよう準備がされているでしょうから、日本の銀行口座に振り込むとなると、別の対応が必要となり、さらに手間がかかります。
現地の口座を持っていない人には窓口で手渡しになるという可能性のほうが高そうですね。
現地通貨ならもらえる額はいくらになる?
10万円の給付が現地の通貨で支給される場合、為替の関係で支給される額がいくらになるのか気になりますね。
為替のレートは日々かわるものなので、申請した日により受取額が変わるというのはフェアじゃありませんよね。
みなに平等な金額を支給するためには、基準日をきめて、その日のレートで計算されるなどという方法がとられるのではないでしょうか。
レートによっては損したとか、得したなどと感じるかもしれませんが、個人の力で為替が動かせるわけではないので、仕方ありませんね。
おわりに
海外在住者にも10万円を給付するという案は、検討が始まったばかりで、可決してすべてが明らかになるにはもう少し時間がかかりそうですね。
支給を期待している人もたくさんいますので、引き続き政府の発表に注目していきたいと思います。